PCUBE | Probing, Controlling, and Understanding of Radiation Belt Environments 惑星放射線帯消失モデルの実証と能動的制御方法の開拓
お知らせ
研究集会「ERGサイエンス会議」を共催しました
名古屋大学宇宙地球環境研究所が主催する研究集会「2020年代の太陽圏システム科学に…2023/11/29
AAPPS-DPP 2023でワークショップを企画・開催しました
アジア太平洋物理学会連合・プラズマ物理分科会(AAPPS-DPP; Association of Asia Pa…2023/11/17
磁化惑星の磁気圏に存在するプラズマの沿磁力線分布を決定する理論モデルの提案
地球物理学の専門誌Journal of Geophysical Research: Space Physicsで、以下のタイ…2023/8/28
磁場が地球に降り込む宇宙放射線を跳ね返す 〜高エネルギー電子から大気を護る地磁気の役割を解明〜
地球の極域には宇宙空間からエネルギーの高い電子が降り込み、大気と衝突することに…2023/8/3
令和5年度 科学研究費助成事業【基盤研究(S)】に採択されました
令和5年度 科学研究費助成事業(科学研究費補助金) 【基盤研究(S)】に採択されました…2023/4/12
研究背景・目的
惑星放射線帯消失モデルの実証
 地球を取り巻くように存在する放射線帯は、太陽フレア等の影響により数時間ほどで一気に消失し、数時間後に再び現れて、消失する前よりも一桁以上電子の量が増えるなどダイナミックに変動することが明らかとなっています。この観測結果は、地球の周辺において非常に高効率な電子の消失・加速プロセスが生じていることを示していますが、いつ・どこで・どのように放射線帯電子が消失するかについては完全には理解されていません。
 本研究では、私たちが世界に先駆けて明らかとした電磁波による高効率な放射線帯消失機構を主軸に据えて、放射線帯物理モデルを開発します。最先端の計測器を超小型衛星に搭載し、既存の観測に加えることで、磁気圏で電磁波を集める「ダクト構造」が放射線帯を高効率に消失させる経路になるという仮説を実証します。
能動的制御方法の開拓
 放射線帯電はそのエネルギーの高さから、地球周辺を飛翔する宇宙機の障害や宇宙飛行士の被曝要因となることが知られています。放射線帯の能動的制御方法の模索も進められており、磁気圏での人工的な電磁波放射実験などが行われています。また、近年明らかとなった電磁波による高効率な放射線帯消失機構の理解を深めることは、プラズマ物理の基礎過程を明らかとする学術的に重要な成果となることに加えて、放射線帯コントロール技術の学理を構築することに繋がります。本研究により、能動実験の理論的基盤を獲得することで、人類の宇宙利用と有人宇宙探査の促進に貢献します。
研究計画
電磁波(コーラス)による電子加速
電磁イオンサイクロン波(EMIC)による電子消失
ダクト構造による消失領域の形成
装置の小型化・省電力化
世界初の降り込み電子・プラズマ密度同時観測で、ダクト構造と放射線帯消失過程との関連を明らかに
太陽活動上昇・極大期(2024-2025年頃)の活動的な放射線帯の観測研究
放射線帯モデルの木星への拡張
プラズマ物理の基礎過程を明らかにし、放射線帯コントロール技術の学理を構築する
能動実験の理論的基盤を獲得することで、人類の宇宙利用と有人宇宙探査の促進に貢献する
2023年
K. Saito, Y. Katoh, Y. Kawazura, M. Kitahara, T. Kimura, A. Kumamoto, Plasma Distribution Solver: A Model for Field-Aligned Plasma Profiles Based on Spatial Variation of Velocity Distribution Functions, J. Geophys. Res.: Space Physics, 128, DOI: 10.1029/2023JA031660, 2023. [LINK]
Yuto Katoh, Paul Simon Rosendahl, Yasunobu Ogawa, Yasutaka Hiraki & Hiroyasu Tadokoro, Effect of the mirror force on the collision rate due to energetic electron precipitation: Monte Carlo simulations, Earth, Planets and Space 75, Article number: 117 (2023) [LINK]
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2027年
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研究体制
研究代表者 加藤 雄人(東北大学 大学院理学研究科)
研究分担者 大村 善治(京都大学 生存圏研究所)、笠原 慧(東京大学 大学院理学系研究科)、篠原 育(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)、寺本 万里子(九州工業大学 大学院工学研究院)、三谷 烈史(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)
研究協力者 熊本 篤志(東北大学 大学院理学研究科)、小嶋浩嗣(京都大学 生存圏研究所)、栗田 怜(京都大学 生存圏研究所)、謝 怡凱(京都大学 生存圏研究所)、小川 泰信(極地研究所)、北村 健太郎(九州工業大学)、松田 昇也(金沢大学)、三好 由純(名古屋大学)、小路 真史(名古屋大学)、山本 和弘(東京大学 大学院理学系研究科)、臼井 英之(神戸大学)、三宅 洋平(神戸大学)、田所 裕康(千葉経済大学)