令和6年度第5回STPPセミナー

令和6年度第4回STPPセミナー発表
2024/05/20

発表者:酒井啓伍(M2)
発表タイトル:
(英)The upflow events associated with electron precipitation and BBELF observed by SS-520-3

このショートトークでは、地球の極域からのイオン大気流失現象に焦点を当てています。この現象は「アウトフロー」と呼ばれ、流出したイオンはプラズマ圏やリンカレントなどに供給されて磁気圏を構成します。特に重要なのは、軽いイオン(H+やHe+など)はPolar Windなどのプロセスで比較的簡単に流出する一方で、O+のような重いイオンはそれだけでは流出しにくいという点です。重いイオンの流出には、波動や粒子降り込みなどの加熱過程が関与している可能性が示唆されています。研究では、ロケット観測データとシミュレーションを用いてこれらの流出過程を解明しようとしています。また、この発表では、エネルギーインプットとイオンフラックスの関係を調査することが目的とされています。

発表者:神田恵太朗
発表タイトル:
(英)Evaluation of the estimation of lunar subsurface dielectric structures using multi-offset ground penetrating radar

このショートトークでは、まず月の地形形成についての簡単な紹介がありました.月の地形は主に隕石の衝突と火山活動によって形成されており、隕石衝突ではクレーターや巨大な衝突盆地、火山活動では海領域などが形成されました.月は地球と異なり、プレート運動や大気の活動がないため、数十億年前に形成された地形が現在も保存されているとの点が強調されています。また、月探査の歴史についても触れられ、有人・無人探査の進展や最近の探査ミッションの成功例が紹介されました。さらに、地中レーダーという探査ツールの使用法とその原理、歴史が説明されており、地質調査や考古学分野での応用例も示されました。最後に、地中レーダーとレーダーサウンダーの用語の使い分けについての注意が述べられました。