地球

あけぼの / ERG衛星

地球磁気圏とは?

地球の磁場の影響が強く及んでいる領域を磁気圏と呼びます。磁気圏は、その外を流れる太陽風の影響で夜側に大きく引き伸ばされた構造をしています。

地球磁気圏 © NICT

人工衛星データ解析

あけぼの衛星によって取得されたプラズマ波動データ等を用いて、磁気圏におけるプラズマ密度構造、地球からのプラズマの流出、オーロラ粒子の加速等の現象、解明を目指しています。

磁気圏観測衛星「あけぼの」

シミュレーション

スーパーコンピューターを用いて、地球近傍に広がるプラズマ中における波動の伝搬過程等の解明に挑んでいます。

地球近傍におけるプラズマ密度構造

ロケット観測 / オーロラ電波地上観測

地球電離圏とは?

地球の上空、高度にして約70-1000kmの領域は、太陽からの紫外線によって大気の一部が電離し、プラズマ状態になっています。この領域を電離圏と呼びます。

最も電離度が高い高度においても、電子密度が中性大気密度の僅か0.1%以下という弱電離状態の電離圏プラズマは、化学反応や衝突を介して 中性大気の影響を強く受けおり、様々な物理・化学的現象が発生しています。

さらに電離圏は、磁気圏プラズマの供給源であることに加え、磁気圏と電磁気的に結合しており、地球周辺の宇宙環境で 発生する様々なプラズマ現象を理解するためにも重要な領域と考えられています。

電離圏のロケット観測

当研究室では、計測装置を人工衛星や観測ロケットに搭載し、電離圏プラズマの計測を行ってきました。 右中の図は、今までに数多くの観測ロケットに搭載されてきたインピーダンスプローブという電子密度測定器です。

ロケット観測

ロケット搭載用インピーダンスプローブの電気回路

オーロラ電波地上観測

極域電離圏では、オーロラ粒子降下に伴って電離圏で数MHzの周波数帯で自然電波が発生し、 地上や宇宙空間に向かって放射されていることが近年の研究で明らかになってきました。

私たちのグループでは、このオーロラ電波の発生機構の解明を目指し、アイスランド及び ノルウェー領スバールバル諸島に独自の観測機器を設置し、オーロラ電波の地上観測研究に取り組んでいます。

オーロラ電波観測用アンテナ上空で現れたオーロラ(アイスランドにて)