S-310-46号機ロケット実験に参加しました

こんにちは、D1の城(たち)です。

JAXA内之浦宇宙空間観測所にてロケット実験に参加しました。

Credit: RIDE project team

今回打ち上げたS-310ー46は全長8m・直径0.31mで今年でちょうど50年の歴史を持つロケットです。
46号機はスポラディックE層とよばれる高度100km付近に急に表れる金属の雲を観測するために打ち上げられました。通常の「水の雲」とは違い目には見えませんが、この「金属の雲」に電波を当てると跳ね返ってきます。電波を反射してしまうため、衛星測位システムや航空法電波に以上をきたす可能性があります。この「金属の雲」は流星が燃え尽きて放出されイオン化した鉄やマグネシウムで構成されていると考えられています。地上から電波を送り観測することも可能ですが、高度100km付近の風や電磁場環境は不明なため詳細な生成過程や構造は未だ明らかになっていません。

S-310ー46号機ロケットには7つの観測装置が搭載されており、金属イオンを動かす風や電場など雲の形成に関わるほぼすべての物理量を観測しました。STPPで代々開発されてきたNEI (Number density measurement of Electron by Impedance probe)は7つの観測機器の内の1つで、私はNEIの担当としてPrincipal Investigatorの熊本准教授とともに参加してまいりました。

Credit: JAXA

Credit: JAXA

打ち上げは成功し、現在は観測データを整備しつつ解析に着手しています。
STPPでは複数の衛星ミッションに参加しており、今後の研究生活にも生きる経験ができました。また、数百人もの方々が時間をかけ工夫を凝らしている、という現場に関わり「研究する」というプロセスにより具体的なイメージを持てました。

学生のうちにロケットの打ち上げというロマンあふれる経験できる環境に感謝です!

参考:JAXA、観測ロケットS-310-46号機実験の実施結果