令和6年度第7回STPPセミナー
令和6年度第7回STPPセミナー発表
2024/06/10
発表者:城剛希(M2)
発表タイトル:
(英)ULF oscillation effects on the whistler-mode wave duct propagation.
ショートトーク発表内容の要約:
このセミナー発表では、研究室M2の城がオーロラの発光やその他の大気への影響に関連するホイッスラーモード波動のダクト伝搬についての研究成果を報告しました。セミナー発表のショートトークでは、オーロラ現象とその背後にある宇宙プラズマ物理学の基本的な概念を説明します。特に、ディフューズオーロラに関連する高エネルギーの電子が地球の大気に影響を与える過程が詳述されています。この発表では、磁気圏内での波動と粒子の相互作用、特にピッチ角散乱と呼ばれる現象が、オーロラの発生にどのように寄与しているかを説明します。また、ホイスラーモード波動とその地球の磁気赤道周辺での生成についても触れられており、これが低周波数のVLF波動として知られていることが述べます。さらに、この波動がどのように電子と相互作用し、オーロラの発光やその他の大気への影響を引き起こす可能性があるかについても解説します。このプロセスは、地球環境や衛星技術にとって重要な意味を持つとされています。
発表者:齋藤幸碩(D3)
発表タイトル:
(英)Theory and simulation of the auroral electron acceleration processes by kinetic Alfvén waves
ショートトーク発表内容の要約:
このセミナー発表では、地球と木星で観測される電子の加速過程に焦点を当てています。特に、分散性Alfvén波と呼ばれるプラズマ波動が電子をどのように加速するかについての理論的な分析と数値計算を行っています。地球では電子が数keV程度に加速されることが知られており、木星では数百keVまで加速されることが注目されています。これらの違いが惑星固有の特性、例えば固有磁場や回転速度、さらに木星の場合は火山性衛星イオがプラズマ供給源となっている点などに起因することが考えられています。また、プラズマ分布の形成過程とその影響についても研究しており、電子がどのようにしてこれほどまでに加速されるのかの詳細を解明することが本セミナー発表の目的です。地球での計算結果を元に、電子が加速される具体的な過程を詳細に調査し、宇宙天気の理解を深めることが期待されています。