令和7年度第5回STPPセミナー
令和7年度第5回STPPセミナー
2025/05/12
発表者:金野 直人 (M2)
発表タイトル: Source region of the type-II solar radio bursts in the HF frequency range associated with a CME on 13 June 2022
ショートトーク内容の要約:
本研究では太陽からのコロナ質量放出(CME)とそれに伴う太陽電波バーストの観測に焦点を当てています。本研究の主な目的は、太陽電波バースト、特にタイプ2バーストを利用して、CMEの動きや特性をより詳細に理解し、予測することです。これは、CMEが地球に到達して発生する様々な宇宙天気現象を事前に予測し、対処するために重要です。
太陽電波バーストは太陽の大気中のプラズマ密度と関連しており、太陽電波パーストを観測することでCMEの進行速度や方向を推定する手がかりになります。この研究では太陽表面の異なる領域、特にアクティブリージョンとコロナホールがCMEと電波バーストの特性にどのように影響を与えるかを探ることにも焦点を当てています。
この研究は、太陽活動が地球の環境に与える影響をより良く理解し、宇宙天気予報の精度を向上させることに貢献することを目指しています。
発表者:佐口 隼斗(M2)
発表タイトル:
(英)Radial evolution of parametric decay instability incorporating temperature anisotropy in the near-sun solar wind
(日)膨張する高速太陽風中での温度異方性を考慮に入れたパラメトリック崩壊不安定性の研究
この研究は、太陽コロナがなぜ非常に高温になるのかという問題に焦点を当てています。特に、PDI(Parametric Decay Instability)と呼ばれる現象に注目し、これが太陽コロナの過熱にどのように寄与しているかを解明しようとしています。PΔIは、特定の波のモードが共鳴し、エネルギーを効率的に伝達することで、コロナの温度を加熱する可能性があると考えられています。
従来の研究では、PDIの基本的な理解とその影響がある程度明らかにされていましたが、具体的な温度変動がPDIにどのように影響するかは十分には理解されていませんでした。この研究では、太陽コロナの特定の温度条件下でPDIがどのように振る舞うかを解析的に研究し、PDIがコロナ加熱における重要な要素であることを示すことを目指しています。