令和7年度第25回STPPセミナー
令和7年度第25回STPPセミナー
2026/01/27


発表者:樫崎太希 (M2)
発表タイトル
(英)Linear Analysis of Magnetohydrodynamic Instabilities in Stratified Accretion Disks and Application to Ion-Electron Heating
(日)成層した降着円盤における磁気流体力学的不安定性の線形解析とイオン-電子加熱への応用
イントロダクション要約
この研究は、ブラックホールなどの中心天体周辺に形成される降着円盤のプラズマ物理現象に焦点を当てています。降着円盤は、中心天体に向かって落下するガスが重力ポテンシャルエネルギーを解放することにより、様々な高エネルギー現象を駆動するとされています。特に、本研究は降着円盤の乱流の性質とその変化を理解することで、イオンと電子の加熱比を推定することを目的としています。この目的を達成するために、本研究では線形解析により乱流に注入されるエネルギーを定量化し、これに基づきイオン電子加熱比を推定しました。
発表者:佐口隼斗 (M2)
発表タイトル
(英)Effects of Temperature Anisotropy on Parametric Decay Instability in the Near-sun Solar Wind
(日)太陽近傍の太陽風におけるパラメトリック減衰不安定性に対する温度異方性の影響
イントロダクション要約
大振幅アルヴェン波のパラメトリック減衰不安定性(PDI)は、圧縮性ゆらぎと反伝播するアルヴェン的成分を生成し得る有力な経路であり、その結果としてアルヴェン波乱流や太陽近傍の太陽風におけるプラズマ加熱を増強する可能性がある。Parker Solar Probe は、低ベータの内側ヘリオスフィアにおいて顕著な温度異方性(xi = T_perp/T_parallel、ある区間では xi ≳ 10)を示す観測結果を報告している。ここで beta は、熱圧と磁気圧の比(thermal-to-magnetic pressure ratio)である。しかし、このような温度異方性が PDI の発生(開始条件)や動径方向の進化にどのような影響を与えるのかは、十分に研究されていない。そこで本研究では、このギャップに動機づけられ、PDI の最大成長率 gamma_max を、太陽から約 1〜30 太陽半径(Rs)の距離範囲にわたって調べた。そのために、(i) 理想 MHD と (ii) Chew–Goldberger–Low(CGL;二重断熱)方程式から導かれる 2 種類の分散関係を直接解いた。背景場の動径プロファイルとして、古典的な expanding box model(EBM)に類似したスケーリングから、観測およびシミュレーションによって制約されたプロファイルまで、複数のケースを考えた。また、CGL方程式から導かれるPDI分散関係式から最大成長率の解析解を導出し、それを数値解と比較し、解析解の妥当性を検証しました。

