波がプラズマの熱を運ぶプロセスを世界で初めて観測 ―核融合プラズマの自己加熱の研究が大幅に進展―

核融合発電では、高温のプラズマ中の核融合反応で発生した高エネルギー粒子がプラズマを加熱して、更なる核融合反応を促進させることが不可欠です。このプラズマの自己加熱のためには、高エネルギー粒子が作り出した波でプラズマを加熱できるかがポイントとなっています。
当研究室の加藤教授と核融合科学研究所の居田克巳教授らによる研究グループは、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置において、プラズマの速度分布の時間変化を詳細に計測し、高エネルギー粒子が作り出した波が、ランダウ減衰と呼ばれるプロセスによって熱を運び、プラズマを加熱していることを世界で初めて観測しました。今後、本研究成果が基盤となって、核融合発電実現に向けたプラズマの自己加熱の研究が大きく加速するのみならず、地球磁気圏におけるプラズマ加熱の研究も進展すると期待されます。
この研究成果をまとめた論文が英国の科学雑誌「コミュニケーションズ・フィジックス」に2022年9月28日付で掲載されました。

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