衛星・地上観測結果に基づく太陽電波バーストの解析研究

太陽表面では，突発的にプラズマのガスが放出されるコロナ質量放出 (Coronal Mass Ejection：CME) という現象が発生します．CMEにより生成される衝撃波が惑星間空間を伝搬し地球に到達すると，磁気嵐が発生し衛星帯電や航空運用障害などにつながります．そのため，CMEの速度を推定したり地球に到達するか否かを推測したりすることで，事前にCME到達を予測し被害拡大を防ぐことができます．
私は，東北大学が所有している飯舘観測所のHF帯アンテナや衛星などのデータを用いて，CME衝撃波により発生する低周波のⅡ型太陽電波バースト (SRB II) を観測しています．SRB IIのスペクトルの時間変化からCME伝搬経路における物理過程を議論することで，CME伝搬における新たな物理過程を解明しCMEの到来予測につなげることを目標に研究しています．