カスプ領域におけるイオン上昇流に関する研究
M1 酒井啓伍
地地球の閉じた磁力線(昼側)と開いた磁力線(夜側)を分けているカスプ領域と呼ばれる領域からはイオン化された大気(水素、ヘリウム、酸素など)が流出していることが先行研究から明らかになっています。
流出過程は様々であり、水素やヘリウムなどの軽いイオンは電子がイオンより質量が非常に小さく、拡散しやすいことによって発生する両極性電場によって加速されます。しかし、酸素イオンなどの比較的重いイオンはこの過程では十分に加速されないため、低高度におけるイオン上昇流と呼ばれる過程を経る必要があります。
イオン上昇流と呼ばれるものにも、オーロラ粒子の降り込みに起因する電子密度や温度の上昇を伴うものや、粒子間の摩擦加熱によってイオンの温度上昇を伴うものなど様々な過程があると考えられています。
私たちの研究ではカスプ領域でのイオン上昇流に伴う物理量の変化や粒子の運動に注目し、イオン上昇流の過程について理解を深めることを目的としています。