太陽大気におけるAlfvén波のパラメトリック崩壊不安定性の解析
M1 佐口隼斗
太陽の光球表面ではおよそ約6000Kですが、彩層から温度上昇が始まり、遷移層で急激に温度上昇し、コロナで約100万Kを維持されるような温度構造が知られています。その温度構造はどのように作られているのか、という問題があり、これを太陽の太陽の彩層・コロナ加熱問題と言います。また、コロナの外では太陽風が加速されていて、その加速機構がどうであるかはまだ議論されていて、これも太陽物理学において大きな問題となっています。
それらは太陽表面の磁場のエネルギーの一部が散逸されることで実現されている可能性が高いと考えられていますが、その散逸機構は未だに議論が続いています。
その中で注目されているのがAlfvèn波の崩壊不安定性で、これは親波として大振幅のAlfvènを考えたときに、それが3波共鳴的に子波として2つの波:逆向きに伝播する大振幅のAlfvèn波と親波と同じ向きに伝播するスロー磁気音波を生成するような物理過程です。
この物理過程の理解は彩層・コロナ加熱問題や太陽風加速の問題の解明につながります。私はこのAlfvèn波の崩壊不安定性に着目して研究を行っています。