観測ロケットSS-520-3号機実験:プラズマ流出過程の直接観測
地球の極域からは地球大気起源のプラズマが宇宙空間に絶えず流出しています。特にカスプと呼ばれる領域では、太陽風のプラズマが地球電離圏に直接流れ込むことに起因して大気が加熱され、宇宙空間に流出していく現象の存在が知られています。この大気流出過程には、高度数百〜数千kmで発生するプラズマ波動が重要な役割を果たすとされていますが、どのようなメカニズムで電離大気が加熱されているのかは未解明です。この謎を解明することを目的として、観測ロケットSS-520-3号機実験が2021年冬季に計画されています。
SS-520-3号機実験はJAXAにより実施されるロケット実験です。ノルウェーのアンドーヤスペースセンター・スバルバードロケット実験場から打ち上げられ、当研究室が担当するインピーダンスプローブ/プラズマ波動モニター(NEI/PWM)が観測装置の一つとして搭載されます。
SS-520-3号機実験は国際共同研究Grand Challenge Initiativeで計画・実施されている9つのミッションのうちの1つです。
・地球物理学専攻:トピックス記事 観測ロケット実験による極域電離大気流出過程の研究
Science on the Cusp: Sounding Rockets Head North
Grand Challenge Initiative – CUSP
関連情報:JAXA観測ロケット実験